「先生、うちの子やる気がなくて…」
保護者の方から、本当によくいただくご相談です。
家に帰ってもゲームばかりして、宿題をやらない。
寝転がってマンガをみてばかり、机にむかって勉強することが少ない。
すぐに、自分はできないと諦めてしまう。
間違うことや失敗をすることをイヤがる。
そんな姿を見ると、
この子はやる気がない子だと決めつけてしまいがちですが、アドラー心理学では少し違う見方でとらえます。
それは、子どもは最初からやる気がないのではなく、やる気を途中から失ってしまっているです。
そして、その子どもの背景には、
「どうせできない」
「また失敗するかもしれない」
「自分には無理だ」
という不安や思い込みが隠れています。
子どものやる気がない原因は「能力不足」ではない
私たちはつい、
「あの子はやる気がある子」「あの子はやる気がない子」
と判断してしまいがちです。
しかしアドラー心理学では、やる気は生まれつき決まっているものではないと考えます。
人は、「やればできるかもしれない」と思えた時に行動します。
逆に、「どうせ無理だろう」と思った時には行動ができなくなってしまいます。
なので、やる気を育てるためには、「自分にもできるかも」という感覚を育てることが大切です。
子どものやる気を引き出す方法は「勇気づけ」にある
アドラー心理学では、
子どもを変えるのは叱ったり注意することでも、ご褒美を与えることでもなく、
「自分にはできる力がある」と思える勇気だと考えます。
そして、その勇気を育てる関わりを「勇気づけ」と呼びます。
勇気づけとは、
子どもを甘やかすことではありません。
無理やり頑張らせることでもありません。
子ども自身が、
「やってみようかな」
「もしかしたら自分にもできるかも」
と思えるように関わることです。
では、私たち大人は具体的にどのように関わればよいのでしょうか。
ここからは、アドラー心理学で大切にされている
「子どものやる気を育てる7つの原則」をご紹介します。
① 子どもの自信を育てる「評価」のコツ
評価というと、
テストの点数や結果を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかしアドラー心理学では、
結果だけを見るのではなく、
その子の取り組みや成長を見ることを大切にしています。
例えば、
・最後までやり切った
・昨日より集中できた
・諦めずに挑戦した
そんな姿です。
子どもは、
「ちゃんと見てもらえている」
と感じた時に安心します。
その安心感が、次の挑戦につながります。

② 子どものやる気を引き出す「信頼」の力
子どもは大人が思う以上に、周りの大人の自分に対する見方を敏感に感じ取っています。
「この子なら大丈夫」と思われているのか…
それとも、「どうせできないだろう」と思われているのか…
言葉にしなくても伝わります。
だからこそ、まずは、大人がその子の可能性を信じることが大切です。
子どもは、信じられた分だけ挑戦できるようになります。

③ アドラー心理学で大切な「勇気づけ」とは
勇気づけとは、ただ褒めることではありません。
子ども自身が「失敗しても大丈夫」「挑戦することに価値がある」そう感じられる関わりです。
子どもは、「できるから挑戦する」のではありません。「挑戦しても大丈夫だ」と思えた時に挑戦できるのです。

④ 勉強しない子どもに必要なのは努力を認めること
結果だけで評価されると、子どもは失敗を恐れるようになります。
それは次に、失敗したら評価されないのではないかと考えてしまうからです。
100点を取ったからすごい。
間違えたからダメ。
そんな見方では、難しい問題になったら評価されないから、自分があたり前にできる問題ばかりやりたがるようになり、挑戦する力は育ちません。
大切なのは、結果ではなく努力している過程を見ることです。
頑張ったこと。あきらめずに続けたこと。
そこを認めてもらえた時、子どもはまた頑張ろうと思えるようになります。

⑤ 子どもの自信を育てる「役に立つ経験」
アドラー心理学では、人は誰でも
「自分は誰かの役に立っている」「自分は必要とされている」と感じたい存在だと考えます。
実は、やる気や自信は、褒められることだけで育つわけではありません。誰かの役に立てたという実感が、大きな自信につながるのです。
例えば、家のお手伝いをした。小さい子のお世話をした。友達に教えてあげた。困っている人を助けた。そんな経験です。
競争は、自分が勝っている時はやる気につながります。しかし負けるようになると、自信を失いやすく、やる気も続きにくくなります。
一方で、協力することは、誰かの役に立ったという喜びにつながります。
人は競争だけで成長するのではありません。協力することで、自分の力を発揮できるようになるのです。

⑥ 子どもの成長段階に合わせた課題がやる気を育てる
大人でも、高すぎる目標を与えられるとやる気を失います。
子どもも同じです。難しすぎる課題は、「どうせ無理」という気持ちを生みます。
簡単すぎる課題では、成長を感じられません。
だから大切なのは、少し頑張れば届く課題です。
その子の今の力に合った課題こそが、やる気を育てます。

⑦ 子どもの長所を伸ばすとやる気が続く理由
できないところばかり指摘されると、子どもは自信を失います。
しかし、得意なことや興味のあることに目を向けてもらえると、自分の可能性を信じられるようになります。
アドラー心理学では、欠点を直すことより、長所を伸ばすことを重視します。
なぜなら、長所は挑戦する勇気の土台になるからです。
子どものやる気がない時に親が知っておきたいこと
やる気を失った子どもは、最初から諦めていたわけではありません。
何度も頑張って挑戦したり、自分に期待して、努力したりしました。
でも思うような結果が出なかった。
だから、「どうせ無理だ」という結論にたどり着いてしまったのです。
アドラー心理学では、やる気を失うことは、長い試行錯誤の末にたどり着いた状態だと考えます。
そして、「どうせ無理だ」と信じるようになると、子どもは自分を守ろうとします。
例えば、「やりたくない」「どうせできないし」「勉強なんて意味ない」と言ったりします。
しかし、その言葉の奥には、「もう期待しないでほしい」という気持ちが隠れていることがあります。
どうせできないなら、最初から期待されない方が楽。
頑張ったのにできなかったという経験をするより、最初から「自分はできない人間です」と思われた方が傷つかない。
そんな風に無意識に考えてしまうことがあるんです。
だから、わざとふざけたり、やる前から諦めたり、「できないアピール」をしたりすることがあります。
しかし実際には、本当に能力がないわけではありません。本当はできることがたくさんあるのです。
ただ、失敗や比較によって、自分の可能性を信じられなくなっているだけなんです。

子どもの自信のつけ方は「できた!」の積み重ね
「頑張ればできるよ」と100回言われるより、実際に「できた!」を1回経験する方が、子どもの心は大きく変わります。
小さな成功体験。小さな達成感。小さな自信。その積み重ねが、「どうせ無理」から
「自分はやればできるかも」と思えるようになり、「やってみよう!」へと子どもを変えていきます。
アドラー心理学を取り入れた脳キラ☆スクールの個別教材
脳キラ☆スクールでは、このアドラー心理学の「勇気づけ」の考え方を大切にしています。
ここまで読んでいただくと分かるように、子どもがやる気を失う理由は一人ひとり違います。
失敗が怖くて挑戦できない子。自信を失っている子。難しい問題になると手が止まる子。逆に簡単すぎて退屈している子。
つまり、やる気を育てるために必要な関わり方も、本来は一人ひとり違うはずなのです。
にもかかわらず、全員に同じ課題を与えてしまうと、ある子には難しすぎるということが起こります。
すると、「やっぱり自分には無理だ」という思い込みを強めてしまうこともあります。
だから脳キラ☆スクールでは、一人ひとりに合わせた教材づくりを大切にしています。
子どもたちは一人ひとり違います。理解するスピードも違います。性格も得意なことも違います。自信の状態も違います。
だから私たちは、全員に同じ教材や宿題を出していません。
「今、この子にはどんな成功体験が必要だろう?」
「どんな課題なら挑戦できるだろう?」
「どんな問題なら『できた!』を感じられるだろう?」
そんなことを考えながら、
一人ひとりに合わせた教材や宿題を作っています。
問題数を調整したり、難易度を変えたり、レイアウトを工夫したりしながら、その子にとって最適な教材を作成しています。
こちらの画像が作成した一部の教材です。
この子は、具体的に見て理解させてイメージさせた方が良い段階となると下記のように、お金と数を結びつけた図が入ったプリントを作成することもあります(図1)

また、系列で順番に並べて、理解させた方が、その子の算数力とあわせて深く学べると判断した場合、系列に並べた学習をさせます(図2)

問題にでている数字のたす順番を変えた問題を出題したプリントで理解を深めさせたり(’図3)

その子用にプリント学習を新しく作成することも多々あります。
私たちは、子どもを見る時は、今やれなくても、「できない子」だとは考えません。
今はまだ、自分の可能性を信じられなくなって、やる気がなくなっているだけだと考えます。
だからこそ、一人ひとりに合わせた教材や宿題を通して、「できた!」を積み重ね、自信を取り戻してほしいと思っています。
まとめ|子どものやる気を育てるために大切なこと
子どもを伸ばすのは、叱ることでも、無理に頑張らせることでもありません。
「やってみたらできた!」という体験です。
その体験が、「どうせ無理」を「できるかもしれない」に変えます。
そして、「できるかもしれない」は、「やればできる」へ。さらに、「やってみよう」という挑戦する力へと変わっていきます。
子ども自身が持っている「自分に対する見方」を変えてあげることが大事です。
できない
↓
できるかもしれない
↓
やればできる
↓
やってみよう!

脳キラ☆スクールでは、計算力だけを育てたいとは考えていません。
自分を信じる力。挑戦する力。最後までやり抜く力。そして、失敗してもまた立ち上がる力。
そんな「脳の土台」と「心の土台」を育てたいと思っています。
そのために、一人ひとりに合わせた教材を作り、一人ひとりに必要な成功体験を届けています。
なぜなら、子どもたちはみんな違うからです。
そして、その違いこそが、その子の可能性だと私たちは信じているからです。

